🚗シェアカー派の私が、車を買うまで
車がなくても不自由しない場所で暮らしていたこともあり、「車なんてコスパが悪いし、シェアカーで十分」と言い切っていた。完全に“持たない暮らし”を選ぶタイプだった。
それでも、心のどこかではいつか大きなSUVに乗ってみたい、そんな漠然とした憧れを抱いていた。
そして、家族が増え、生活が少しずつ変わっていく中で、その考えにも少しずつ揺らぎが生まれていった。
家族と過ごす時間が、車の意味を変えた
第一子の妊娠をきっかけに、子どもの通院で家から少し離れた電車で行きづらい病院に通う必要が出てきた。タイムズカーを使って通っていたが、次第に「車の運転って、楽しいかも」と感じるようになった。
やがて子どもが生まれ、家族で車で出かける機会が増え、いろいろな車に乗るうちに、それぞれの乗り味や空間の違いを楽しむようになった。 そして何より、車の中での家族の会話や時間が、本当にプライスレスだと感じるようになった。
シェアカーの便利さと、限界
シェアカーの仕組みはとても便利で、合理的だと思う。必要なときだけ借りて、使い終われば返す。維持費もかからず、清掃や点検も不要。
けれど、使いたい日に使いたい車が空いていなかったり、子どもの荷物を積み込んで毎回片づける煩わしさが積み重なっていくと、ほんの少しずつ「車の所有しても良いかも」という気持ちが芽生えていった。
車購入を本格的に考え始めた
「車なんてコスパが悪いし、シェアカーで十分」と言い切っていた自分に反省しながら、車購入を本格的に考え始めた。ただ、経済的な不安が大きく、なかなか決断には至らなかった。タイムズカーでbZ4XやCX-5が使えていたこともあり、利便性にも不満がなかったのも購入しない理由の一つだった。
買うか、買わないか
第二子の妊娠がわかったとき、家族で話し合いながら「そろそろ車を買おうか」という話になった。でも、やっぱりシェアカーの方がコスパいいんじゃないか……という気持ちは拭いきれなかった。
2025年初旬 - 車を購入する方向で動き出す
一応、買う方向で行動を始めた。毎週のようにディーラーを巡り、さまざまな車に試乗した。比較を重ねながらも、心の奥ではずっと「ランクルに乗りたい」と思っていた。ただ、価格やマンションの駐車場のサイズを理由に、自分に言い聞かせるように諦めようとしていた。
けれど行動していくうちに、銀行で低金利のローンが組めることがわかり、マンションの駐車場もランクルが停められると知った。そこから一気に、現実味を帯びていった。
ランクルに決めた
いろいろと試算を重ねてみると、自分の使い方では、ランクルを選んでも他の車を選んでも、購入から手放すまでの総費用は大きく変わらないことに気づいた。
それなら、心から乗りたい車を選ぼう――そう思い、「ランクルにしよう」と決めた。ところが、近隣のディーラーではすでに注文が締め切られており、何軒も断られる日々が続いた。
2025年3月:偶然の出会い
家族で江ノ島水族館へ出かけたとき、ちょうど目の前でトヨタの展示イベントが行われていた。ダメ元で「ランドクルーザー250ってありますか?」と尋ねてみたところ、「ガソリンなら1台だけ行けます」との返答。
その瞬間、心の中で「これはもう縁だ」と感じた。迷うことなく、その場でランドクルーザー250 VXを申し込んだ。
“持たない暮らし”から、“ともに生きる車”へ
思い切って購入を決めたのは、単に移動のためではなく、家族の成長とともに思い出を積み重ねていける存在が欲しかったから。長いあいだ“持たない暮らし”を貫いてきた私が、初めて「持つこと」に意味を感じた瞬間だった。
おわりに
合理性や効率を大事にする暮らしの中で、少しだけ“非効率”な選択をすることが、意外にも心を豊かにしてくれることがある。車を買うという決断も、その一つだった。これからこの車と過ごす日々が、家族にとっての新しい物語になっていくのだと思う。